専攻紹介



エコリージョンと適正技術

 「エコリージョン」(Eco-Region)とは環境容量内で持続的な生産を実現する活動空間です。国際地縁技術開発科学専攻は、生態循環系、資源循環系、経済循環系の整合的調和の上にエコリージョンが形成されるというコンセプトを共有して教育・研究を行っています。すなわち、エコリージョンの創生や保持は、次の3つの技術要件

  (1)単なる先端技術の移転によってではなく、生態循環に調和的に存在している地縁技術から示唆を得た先端技術、あるいは先端技術と地縁技術の融合等によって創出される「技術」、

  (2)地域資源を基礎的資源として、環境に負荷をかけずに地域の安定経済発展を促すために、その基礎産業である食料の生産・加工・流通にかかるセクターが地域資源をカスケード型循環において利用するための食料を巡る「技術」、

  (3)地域社会的なアセスメントを経て、そこに活動する人々に受け入れられる「技術」、

を満たす技術の確立、定着によって実現するのです。この技術こそが、当該地域の持続的発展を牽引する「適正技術」(Appropriate Technology)です。


国際地縁技術開発科学専攻が目指すもの

 国際地縁技術開発科学専攻は、エコリージョンが崩壊しかねない海外や国内の地域を対象にして、エコリージョンを回復する地域開発方法の確立、その核となる適正技術の創生と定着を研究目標とし、この課題分野の研究者や実務者を養成すること教育の目標としています。
 すなわち、国際地縁技術開発科学専攻は、

  (1)エコリージョンを回復・保全する地域基盤の開発にかかわる「エコリージョン基盤開発学領域」、
  (2)この基盤の上に食料を加工し、処理するための適正技術を開発する「食料科学領域」、
  (3)適正技術を創生するための地縁技術や地場資源の賦存状態の分析評価、適正技術の社会化を促す「地域システム経済学領域」、

の3領域を設置しています。


国際地縁技術開発科学専攻の研究分野

 国際地縁技術開発科学専攻の学生は、これら3領域の基本的な専門科目を共通に学ぶと共に、専門性を明確にするために各々1領域を専攻します。

  (1)エコリージョン基盤開発学領域には、森林生態環境学、乾燥地工学、生態構造工学、生物材料化学、生物材料工学、農村環境整備学、森林多様性解析学の7分野、

  (2)食料科学領域には、先端技術開発学、植物機能開発工学、食機能探査科学、食資源利用科学、食品品質評価工学、地域食品開発科学の6分野、

  (3)地域システム経済学領域には、生物資源経済学、国際資源開発経済学、農業経営学及び関連産業経営学、農村社会・農史学、森林資源経済学、森林資源社会学、地域資源保全学の7分野があります。

 国際地縁技術開発科学専攻は、異なる3つの領域から学際的に地域開発研究に取り組むのが特徴です。3領域の有機的な連携によるフィールド・サイエンスであり、これまでの開発学手法に類例のない固有の地域開発学体系の構築を目指しています。そして、国内学生はもちろんのこと、海外、とりわけ途上国地域からの留学生を積極的に受け入れ、国際舞台の最前線で主導的に研究活動や実務に携わる有為な人材育成を目標とする教育を行っています。