研究領域

次世代食資源創成基盤領域

 農業生産の持続的発展に寄与する新しい高付加価値食料資源の創成と、従来育種に比べて育種期間を大幅に短縮するための研究・技術開発を進める。具体的には、非モデル植物・系統に対する突然変異処理とゲノム情報解析を組み合わせた有用突然変異体の効率的な選抜、非モデル植物のゲノム情報の収集と解析、育種素材集団の遺伝的変異の拡大、大量の系統を評価するためのフェノタイピング技術の開発等を進める。さらに、作物が本来有する有用機能を生体内でさらに強化させる次世代バイオテクノロジー技術の開発やゲノム情報を最大限に活用したデザイン育種技術の構築を行う。


次世代食料生産技術開発領域

 良食味・食感、栄養・機能性、安全性等に優れた高付加価値農産物の低コスト生産を実現するため、高付加価値品種、高温や低温等の環境ストレス耐性品種、省力性品種の開発基盤となる育種素材の探索と開発を行うとともに、育種期間を大幅に短縮するための育種技術基盤を構築し、産学官連携による新品種の開発を進める。また、IT、ロボットおよびセンシングデバイス等を活用した新しい精密農業技術の開発、複合病害抵抗性品種と新たな生物間相互作用を活用した総合病害虫管理技術の開発、植物残渣等の資源化によるエコファーミング技術の開発等を進める。

 

次世代食料流通技術開発領域

 今後ますます激化する国際競争の中でわが国農業が持続的に発展するためには、わが国で生産される高品質農産物を安全性と品質を損なわずに低コストで国内外に輸送するための流通技術開発が特に重要である。そこで、農産物の品質や成熟の制御、および病虫害制御に関する科学的知見を収集するとともに、貯蔵や輸送に適した育種素材の探索と育種技術の開発、収穫物のポストハーベスト管理技術の開発、生物が保有する防御機能を利用した食料輸送・保蔵技術の開発を進める。

 

次世代安全・機能性食資源開発領域

 健康の維持・促進に寄与する農産物の栄養・機能性成分の制御機構を解明するとともに、世界の植物遺伝資源を活用した新しい高付加価値食資源の探索と導入や、既存品目における高付加価値品種開発に関わる育種素材の探索と育種技術基盤の構築を進める。また、栄養・機能性成分が豊富に蓄積された農産物を市場に供給するため、栽培、流通・加工および消費に至るフードチェーンの各段階における技術開発を行う。特に、医食農連携を強化し、バイオアッセイによる抗がん・抗アレルギー性の評価、新規栄養・機能性物質の探索、栄養・機能性農産物の健康価値の検証等において、筑波大学医学・医療系等の研究者との共同研究を積極的に展開し、効率的かつ効果的に研究・技術開発を進める。

 

フードセキュリティーポリシー領域

 持続可能なフードセキュリティ基盤を確立するため、社会・経済学的データに基づくフードセキュリティ基盤の将来予測、バックキャスティング手法によるわが国のフードセキュリティ基盤強化のための各領域目標の設定、萌芽的技術の経済価値(効果)の事前試算による各領域の細部課題・技術開発目標の選定等を行い、各領域の技術開発から普及までのロードマップ(工程表)を作成する。また、新しいバイオテクノロジー技術や生産・流通技術を用いて生み出される農産物の安全性評価を行うとともに、リスク管理手法を確立し、社会的受容性の向上を目指す。